マルシン S&W M36 チーフスペシャル Xカートリッジ仕様 組立キット レビュー
【ガスリボルバー】
ここの所、ホントマルシンさんのリボルバーとは縁があるようでwなんでこうリボルバー好きの心を揺さぶる商品を次から次へと出してくれちゃうんでしょうね、まったく。
ありがとう、マルシンさんw
さて、M629で完全にXカートリッジに魅せられてしまった私が次に望んだのは 大好きな小型リボルバーのXカートリッジ化でした。 そんな希望を聞き届けてくれたのか、マルシンさんがM36を Xカートリッジ化してくれるという情報を入手したのですが、まさかの・・・
組立キットw
でした(苦w
以前からマルシンさんは、モーゼルM712、シグP210-6、南部14年式拳銃の3機種を ガスガン組立キットと言う商品カテゴリで販売していたんですが、 今回そのラインナップにM36、ポリスリボルバー、 そしてモーゼルのKar98kの3機種が加わる事と相成ったようで・・・w
もともとマルシンさんの銃はひとつひとつ手組みで組まれているので、それを組み立てずに出荷すれば、 組立代の人件費を削減できて、表品の値段を抑えられるという事なんでしょうが。
ぶっちゃけた話。
それってどうなん?(苦w
って感じだったんです。
まぁ手組みのおかげでアタリハズレの激しいマルシンさんの銃ですし、 自分で組み立てれば、もうアタリハズレとか言えませんしねぇw
なかなか条理を付いた販売方法かも知れませんが(苦w
まぁ、なんだかんだ言った所で、Xカートリッジが気になって買っちゃったわけなんですけどね(苦w
さて、お立会い。組立キットとは如何なるモノなのかと心配してたんですが、 手元に届いた箱を見てビックリ。
デカいw
36×25×4.5cmもある大きな箱でした。
蓋を開けて更にビックリ。
ほんとに、組立キットなんだな・・・。
と中身を見て、改めて思いました(苦w
フレームを手に取ってみて、まず最初に思ったのは、
ちゃちぃwww
という事。どこからどうみてもプラスチックです!! と言わんばかりのプラスチック感満々ですよ。
まぁそれはM629の時にも感じた訳なんですが、M629はまだ表面の仕上げ処理はしてありました。
でもこのM36の組立キットは、その表面の仕上げ処理すら、
されておりません(苦w
画像の通りパーティングラインも、ランナーから切ったであろう跡も、全てそのままでした。
これはいったいどうしたことかw
どっちにしてもこのまま組み立てると、縁日の夜店で500円のくじで引いた銀玉鉄砲に 羽の生えたようなやつの方が数段上等に思えてしまうので、行き着けの模型屋さんで、 紙やすり(フィニッシングペーパー)を追加で購入してきて20時頃から磨き作業開始。
・ ・ ・ 。
フレームとシリンダーを磨き終わった頃には。
夜が明けてました・・・(眠w
最後の方は落ちるまぶたを必死で支えつつ、悲鳴を上げる腕の筋肉をどうにか誤魔化しながら、 磨いてましたよ。
結局フレームとシリンダーを磨いただけで力尽きて、サイドプレートとバレルは断念しました。
まぁ、がんばった甲斐はあって。
パーティングラインもしっかり消えたのでよしとします(苦w
今回使用したのは、タミヤさんのフィニッシングペーパーです。
細目セットの400番、600番、1000番と仕上げセットの1500番、2000番を使用しました。
ただ、途中で断念してしまった結果、艶消しマッドなシリンダーとフレームに対し、テカテカABS丸出しなサイドプレートとアウターバレルと言うなんとも滑稽な感じになってしまいましたorz
んで、それ以外にも紆余曲折ありましたが、それはまぁ置いといて、とりあえず組みあがりました。
どうでしょうか、この曲線美!
どこか女性的な丸みを感じるのは自分だけですかね。
M60のレビューで書かせてもらったんですが、自分本当はあんまり流線型の銃って好きではないんです。 ごつごつして角ばった銃の方が好みなんですが、チーフにはそんな自分ですら取り込んでしまう、 言いようの無い魅力がありますね。
M60のレビューでも書いたのですが、マルシンさんの8mmBB弾仕様の銃のいいところは 6mm仕様の銃に比べて格段にマズルフェイスがリアルになる事です。
画像ではわかり難いかもしれませんが、ライフリングも再現されています。
今回のM36組立キットにも2インチモデルと3インチモデルがあります。 (自分的にJフレームは2インチと言う、よくわからないこだわりがあったりするんですがw)
サイトです。
フロントサイトはセレーション入りのランプ、リアサイトはフレーム上部を半円型にくり抜き、 その間に渡す格好で設置されています。どちらも固定式で調整は出来ません。
お世辞にもサイティングし易いとはいえませんね。
まぁ元より遠距離での使用は考えられておらず、 至近距離での使用のみを想定して設計されているんだと思います。
ハンマーは亜鉛ダイカスト製で、動作方法はシングル・ダブルアクション。
ハンマーは細身ながら、すべり止め加工のお陰で使用するのに苦はなく、 実銃同様、コッキング・デコッキングのアクションが楽しめます。
トリガーも亜鉛ダイカスト製で肉厚、程よい曲面がしっかりと指をホールドしてくれます。
若干パーティングラインが残っていますが、トリガーは初めから細かいパーツが組み込まれた状態で梱包されているので、磨くに磨けません。と言うか、ヤスリ掛けたら色が剥げるんじゃないだろうか・・・。
(画像には入っていませんが、組み込みの際についてしまった傷跡を見ると、地は銀で黒染めのようです。)
ダブルアクション時のトリガープルは約4.6Kgと、M60(3.7Kg)より若干重めですが、 これは自分の組み立て時のグリスアップが若干不足していた為に、 トリガーとの連動の際の負荷が大きい為だと思われます。トリガーストロークは約14mm。
コックは特に引っ掛かる感じもなく、スムーズですが、 これもたぶん自分のグリスアップが足りず、M60のものより若干重たい感じがします。
SA時のトリガープルは約1.5kg。トリガーストロークは約3mm。
サムピースはシリンダー側に押し込む事でシリンダーをスイングアウトさせる事が出来ます。
逆に引いて上方に40度程回転させるとトイガンセーフティとしてハンマーがロックされます。
このM36もS&W社と正式契約しているので、実銃同様、 グリップの根元の部分にS&W社の刻印が入っています。
磨き作業の際に、削り過ぎでこの刻印が消えるんじゃないかとヒヤヒヤしましたw
(実際にかなり浅くなってしまいましたがw)
グリップはM60同様のラバーグリップが標準装備です。
少し大きめなラバーグリップはフィンガーチャンネルもあってフィーリングは上々。
ただ、自分的にはM36にはノーマルなウッドグリップを装備したい所なんですよね。
変なこだわりでしょうか?
グリップ内には実銃と違いガスタンクが入っているので、実銃用のグリップは装備できません。
カスタムパーツでどっか出してくれまいかw
さて、皆様お待ちかね! こちらが新生M36のXカートリッジです。
ぶっちゃけ・・・
若干期待ハズレ
感は否めませんが、まぁカートの構造上、多分こうなるんじゃないかと思ってたのですけどね(苦w
BB弾は弾の先頭部分から装填し、専用のリロードツールでカートリッジ内のパッキンに固定します。 少々手間ですが、固定しないとカートを横にするとコロコロと弾が落ちます。
だだXカートリッジに合わせて再設計されたシリンダーはなかなかの優れもので、 M629と同様、ダミーカートリッジが無改造で装填可能です。
新旧のカートリッジを比べると、確かにリアルさは向上していますね。
微妙にXカートの方が細いです。 あと後端にスピードローダーのツメが引っ掛かる部分が新しくモールドされています。
下の画像はマルベリーフィールドさんの.38スペシャル弾のダミーカートです。
ダミーカートの方が更に若干細いです。
問題なく実銃用のスピードローダーが使用できます。
画像のローダーはHKS社のローダー「36」です。
旧カートリッジはスピードローダーを使用しようとすると、カートリッジの角が
シリンダーの中のインサートに引っかかってうまく使用できませんでしたが、
このXカートリッジなら気持ちよく装填ギミックを楽しむ事が可能です。
M629との比較。
M36はS&W社のフレームの企画の中で最小のJフレームの銃です。
Jフレームの上がM19(コンバットマグナム)などが所属するKフレーム、その上がM686などのLフレームに、 M629が所属するNフレーム、そして近年最強のハンドガンとして注目されている M500が所属しているXフレームと結構な種類があったりします。
M36は小型で携行性、隠密性に優れると書きましたが、もう一つ言えるのはその小ささゆえ、 手の小さな女性でも楽に撃つことが出来るということです。
S&Wは以前、女性をターゲットとした護身用銃として M36のレディスミスというバージョンを販売していたぐらいです。
小型なJフレームのM36は万人向けと言っても過言ではないと思います。
我が家に居るチーフのツーショット。
やっぱ黒のチーフにはウッドグリップを付けたいです・・・。
あ、ちなみにシリンダー部分は無加工で交換可能でした。
旧M36をお持ちの方は仕上げさえ気にしなければ、そのままXカートリッジへ移行できますよ。
○実射○
さて、問題の実射でございます(苦w
まぁ予想をするのは容易ですが、一応やるだけはやっておこうかと。
今回もいつもと同様に室内5mレンジでマルイのプロターゲット(ブルズアイ)を狙います。
シングルアクションで中央ゼロイン、1ラウンド5発を3回計測しました。
結果。
5mでは5発全弾命中は無理!
という結論に達しました。致し方ないので、今回も距離を5mから3mに短縮し再計測。
結果がこちら。
回数 | 命中数 | グルービング | 中央からの距離(最小−最大) | 実物 |
1st | 5発 | 66mm | 14mm−43mm | ● |
2nd | 5発 | 63mm | 16mm−34mm | ● |
3rd | 5発 | 72mm | 7mm−45mm | ● |
集弾率も60mm強とまぁまぁの数値、ただ結構中央にまとまってるのは高評価かもしれませんね。
まぁ“3mで”ですけど。
5mで当たらなかった理由が15mレンジの方での試射で判りました。
原因は「HOPの掛かり過ぎ」だったようです。
計測には純正の0.34gを使用したのですが、ものすごい浮き上がりました。
マルイさんの18禁エアガンで0.12g弾を撃った時の感じといえばわかりやすいですかね?
ただ、問題なのは、このM36固定HOPなんですよ。 今回バレルも組み立ててHOPの機構がどうなっているのかも判ったので、 これはHOPのパーツの改造が必要かも知れませんねぇ・・・。
□DATA□
- マルシン製
- 18才以上、固定スーパーソニックバレル搭載
- 使用弾、8mmBB弾
- 全長、163mm
- 重量、349g(空カート5発装填時)
- 装弾数、5発
- 価格、2インチ 8,000円(税別)
3インチ 8,200円(税別)
○初速データ○
データ収集日の気温は27℃ 湿度91%。
使用BB弾は、マルシン製 0.34g 8mmBB弾。
ガス満タン状態で、5分放置後、2ラウンド10発計測。
SA時 初速(m/s) | DA時 初速(m/s) | |||||
1発目 | 41.71 | 44.59 | 1発目 | 36.4 | 40.34 | |
2発目 | 42.28 | 40.21 | 2発目 | 35.4 | 32.27 | |
3発目 | 39.2 | 41.79 | 3発目 | 34.81 | 39.66 | |
4発目 | 39.26 | 38.79 | 4発目 | 37.07 | 32.39 | |
5発目 | 35.14 | 38.18 | 5発目 | 29.91 | 37.49 |
SA時、平均初速は40.12m/s。平均ジュールは0.27J。
DA時は、平均初速35.57m/s。平均ジュールは0.22J。
最大初速44.59m/s(0.34J)。
○総評○
さて、結果から申し上げますと、
「初心者にはオススメ出来ない!」
銃でございます。
私は偶然にも同タイプのM60を完全分解した経験があったので、どうにか組み立てる事が出来ましたが、コレを皮切りにマルシンさんのリボルバーに手を出されるなら、私は迷わず“組み立て済み”のリボルバーをオススメします。
この銃は初心者さんには組み立てられないと自分は思います。
理由は2つ。組立書の説明が判り難い事と、細かいパーツがそれぞれなんと言うパーツなのかが判り難い事です。
組立書の方はそこそこ詳しく書いてあるのですが、何度か分解・組立をして方法に慣れないと組めない部分が何箇所かあります。そして4つの袋にまとめて入れられている小さなスプリングやスクリュー、ピンなどが、組立書の下部に書かれている“実寸図”なるものと形状やサイズが違うという事があります。
この二つの点を考慮すると、自分は初心者にはオススメできませんね。
まぁ、それ以外のディテールや、動作などについては、特に文句はありません。
Xカートリッジがほんの少し残念でしたが、 旧カートリッジに比べれば断然リアルさは上がっていると思います。それにやはり新設計のシリンダーが無加工でダミーカートリッジを装填できるのが、自分的には高評価です。
どちらかといえば、エアガンと言うより、弾の出るモデルガンと言った方が マルシンさんのカートリッジ式リボルバーには合っているように自分は思いますねw
今後、どこまでXカートリッジ化するかはわかりませんが、マルシンさんには“組み立て済みモデル”でバリエーション展開していって頂きたいですw
とにかく最初から最後まで苦笑のもれる銃でした。(さて、何回苦wを使ったでしょうw)
(2010/07/01:初速データ掲載)
(2010/04/18:ページ作成)
(2010/04/18:ページ作成)
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