東京マルイ M9A1 レビュー 【ガスブローバック】
グロックシリーズをこよなく愛する私ですが、実は一度冷めてしまったエアガン熱を再燃させたのは、何を隠そうマルイさんのエアコキM92Fだったのです。 そんなわけで、前々からガスブロM92Fを購入しようかと悩んでいたのですが、マルイさんのガスブロM92Fは設計が古く、機能もイマイチだった為、最後の一歩が踏み出せずにいたのです。 そんなおり、今年の5月12日に開催された『第51回静岡ホビーショー』でマルイさんが電撃的にM9A1を発表、待ってましたと予約購入したわけですwいやしかし、考えてみると、ガスブロのハンドガンを購入するの自体、約1年振りでしたw さらにマルイさんのハンドガンと括るとG18C以来、2年振りだったりしますw
まぁ、先に言ってしまうのもアレかと思いますが、今回のこのM9A1、かなりイイですよw
それでは、レビューして参りますね!
あくまで個人的なイメージですが、ここの所、マルイさんのハンドガン用のパッケージは、シリーズなどで共有できるようにシールの貼り変えに対応したパッケージだったりでちょっと物足りなかったのですが、 今回のM9ようのパッケージはシンプルながらも、専用パッケージになっています。
個人的にはこういうシンプルなパッケージ高評価ですw
外寸は30.3cm×18.7cm×5.5cm。
しかも、内箱は発泡スチロール箱ではなく、なんと紙箱ですよ! 中敷もカーボン調の印刷のしてあってイイ感じです。
グリップにはM9A1と印刷されたラベルが巻いてあります。どうやら実銃の中にはこういうパッケージングしてる物もあるみたいですねー。さらに、実弾の箱っぽい雰囲気の小物を入れた箱も入っていて、これまたイイ感じです。
内容物的には本体、取扱説明書一式、フォロアーーストッパー×2、BB弾100発、保護キャップ、クリーニングロッド。
実弾実箱っぽい小物入れ、中にはBB弾と保護キャップ、フォロアーストッパーが入っています。
最近は標準で付くようになった空撃ち用のフォアローストッパーが2つ入っています。
さて早速、箱から取り上げてみると、コレが超ズッシりと重い。実測値で964g ほぼ1kgという重量は自分の手持ちのハンドガンの中では、デザートイーグルに次ぐ第2位の重さですよw
スライドと、フレーム、アウターバレルで仕上げが変えてあり、スライドはさらっとして半光沢くらいにコーティングされ、フレーム、アウターバレルはザラッとした梨地加工が施されています。 各所には、金属パーツも使われていて、その雰囲気、仕上げもいい感じです。
実銃はイタリアの老舗銃器メーカー、ピエトロ・ベレッタ社が製造し、1985年からアメリカ軍の正式採用拳銃として使用されているM92FS、 正式採用名M9を2006年に米・海兵隊の要請で現代室内戦闘において、もはや当たり前となったフラッシュライトを装備するため、フレームのフロント部分に20mmピカティニー規格のアンダーレイルを追加し、 その他細々とした改良を加えてバージョンアップしたモデルです。現在、海兵隊の一部部隊で使用が確認されているようです。
M92シリーズの最大の特長とも言える大きく上面の切り取られたスライドです。 切抜きからのぞくアウターバレルはフレームと同じようなざらっとした梨地加工の仕上げになっていて、スライドの仕上げとのメリハリが付いてステキです。
ちょっとスライドの先端が飛び出した独特のマズルフェイスです。アウターバレルの内側にはライフリングもばっちり入っています。 ただ、個人的な感想ですが、マズルフェイスはあんまりかっこよくはないですねぇ。 これ以上横顔から正面に回りこむとちょっとブサイクかなぁと自分は思います(苦w
スライドの刻印はマルイオリジナルになっていますが、雰囲気を崩す事無くいい感じになってますね。
フレームの先端には、M9からM9A1へのバージョンアップで外観では、ほぼ唯一と言っていい大きな変更である、レイルが設けられています。
スライドの右側面の刻印にはマルイさんの名前と生産地が入ってます。まぁ個人的には特に気にはならないのですが、こだわる人には気になる点かもしれません、 レールの側面にも刻印が入っていますが、こちらの方は実銃と同じになっています。
アンダーマウントレイルは、ピカティニー規格のレールなので、対応したフラッシュライトやレーザーサイトなど、各種アタッチメントを装着可能です。
見てもらうと分るとおり、パーティングラインはきれいに処理されています。始め一体成型かと思いましたw
ノギスで計測してみると、自分の個体ではレールの幅が約20.75mmとピカティニー規格の21.2mmより若干細め、深さは約2.2mmなのでコチラも若干浅い感じ、溝の幅は約5.3mmでした。
内側には補強用のパーツが当てられているので強度的には問題ないかと思いますが、表面自体はプラなのでサイズの合わないアタッチメントをムリに着けようとすると、削れてしまいます。 いたし方の無い事ですが、その点だけがちょっと残念ですね。
今回M9A1から3点ドットタイプに変更されて狙い易くなっています。
ちなみにサイトは実銃と同じくスライドと一体成型です。
今回のM9A1で皆さんが気になってるだろうポイント!!
と、いうわけで、スライド後端に設置されているセーフティです。アンビタイプとなっているので、左右どちらからでもアクセス可能になっています。パーツ自体は金属製です。 そして機能的にはセーフティと共にデコッキング機能を実装しているんですよ! 旧M92Fタイプにはこのデコッキング機能がオミットされていたのですよね。
M9A1のセーフティはトリガー、ハンマーにロックを掛けるタイプではなく、機関部との連結を解除する感じなので、トリガーを引いたり、ハンマーを起こしたりする事は出来ますが、 トリガーはスカスカだし、ハンマーはコッキングポジションでは止まりません。
デコッキングとは、右の画像のようにハンマーが起こされた状態から、弾を発射する事無く、ハンマーを倒す=レストポジションに戻す動作の事をいいます。 発砲の必要の無い場面で銃を安全に携行する為の動作ではあるのですが、実際この操作は銃を扱い慣れた人間でもかなり気を使う操作であり、不用意な操作をすれば暴発する危険があります。 そこで安全にデコッキングを行う為に付けられたのが、デコッキング機能です。デコッキング専用の操作部を持つモデルもありますが、M9シリーズの場合はセーフティレバーにデコッキングレバーとしての機能もあり、 セーフティをONにすると同時にハンマーが倒れ、デコッキングされます。(画像にマウスを載せると画像が切り替わります)
ファイアリングピンは別パーツになっていて、セーフティに連動して稼動します。
さて、続きましてはトリガー周りです。トリガー、スライドストップ、テイクダウンレバー等、金属パーツはいい感じに仕上げられています。 旧M92Fではフレームと一体成型になってしまっていたトリガーピンも別パーツとなってとてもいい雰囲気です。
もちろん、実銃と同じくダブルアクション、シングルアクション共可能です。
ハンマーとトリガーのレストポジションです。
トリガーは遊びが1mm程しか無く、すぐにハンマーが連動して動き始めます。トリガーストロークは約1,7cmと長くダブルアクションに慣れてないとちょっと引き難いかもしれません。 トリガープルは約1.9Kgとダブルアクションにしては、とても軽い部類です。これなら初弾のブレも多少は気にならないかなーというレベルです。
こちらがコックポジション。
コチラはトリガーに約3mm程の遊びがあります。トリガーストロークは約8mmで、トリガープルは約0.7kgと一般的なシングルアクションと変わりません
ちなみに右の画像のようにハーフコックポジションが一応あるようですが、説明書によると、内部のハンマーが正しく保持されていない可能性があって、不用意な操作を行うと暴発する危険があるそうです。 トリガーを7mm程引くとハンマーがハーフコックポジションで止まります。その状態でハンマーに触れたり、セーフティでデコッキングを行うのはNGだそうです。
ハーフコックポジションになった場合は、安全な所に向けてトリガーを1回引いてくださいとの事です。
ホールドオープン状態です。
個人的にM9シリーズが一番映えるのって、オールドオープンした状態だと思うんですよね。曲線と直線のハーモニーが素晴らしいと思います。
スライドオープン時のスライドの後退量が旧M92Fより若干ですが、多くなっているようです。もちろんバレルは実銃同様のショートリコイルも再現されています。
旧M92Fではスライドオープンしても、若干ノズルの先端が見えていたのですが、M9A1では完全にスライド内に収まっています。
また、マルイさんの最近のモデルではもはや当たり前となっていますが、スライドストップはスライド内部の金属パーツに引っかかるようになっているので、消耗は最小限だと思われます。
グリップは他のパーツとは若干仕上げが変えてあり、見た目にメリハリが付いていい感じになっています。
更にグリップを止める為のネジは実銃同様にヘックスタイプに変更されていますが、これまた実銃同様に分解用のヘックスレンチは付属していません。別にそんな所はマネしなくていいのに(苦w ちなみにこのグリップ無加工で実銃用のグリップを装着可能との事です。 グリップ中央の刻印はマルイさんオリジナルの三本の剣のデザインが使われています。(実銃は三本の矢) それとグリップの正面側がM92Fではセレーションだけでしたが、M9A1ではチェッカリングに変更されています。
それと、マグキャッチがプラ製から金属製に変更されていますね。
背面のセレーションも同様にチェッカリングに変更され、グリップ性が高められています。また、テイル部分の握り込みが若干深くなっていて、セーフティ、スライドストップ、マグキャッチへのアクセス性を上げてあります。 ただ、自分は指が短いようで、マグキャッチは握りなおさないと届きません・・・orz
グリップ底部には、銃の紛失を防ぐピストルランヤードを通すためのリングが設けられています。この部分は根元から金属パーツですので、破損の心配はほぼ無いかと思われます。
ちなみにこのグリップ、ネジ受けは金属パーツになっているので、無理やり締めてネジ受け自体とフレームが分離しない限りはへたる心配はなさそうですね。しかも、このグリップのパネルの裏には錘が付いており、2枚で111gありますw 実銃用のカスタムグリップ等を取り付ける場合はかなり重さが軽くなる事が予想されますねw
今回、M9A1は旧M92F用のマガジンをそのまま使用する事が出来ます。M92Fはかなりバリエーションも多く、かなりの数が世の中に出回っているはずですから、ユーザーとしてはこういった心遣いはありがたいと思います。 まぁ自分は今回が初M9シリーズですので、関係は無いのですが(苦w
ただ新エンジンを動かすのに旧マガジンで大丈夫なのか?という疑問はあります。今後の検証待ちですが、もしかしたらカスタムバルブ等の組み込みで更なるレスポンスアップが望めるかもしれませんね。
装弾数は26発です。
もちろんこのモデルも実銃同様にフィールドストリッピングを行う事が出来ます。
上で紹介した通り、マガジンは旧M92Fシリーズと共有する事が出来ますが、その他のパーツは完全新規作成らしく、マルイさんは一切の互換性が無いと公式にアナウンスされていますね。
マガジンを外し、コッキングした状態で、フレーム右側面のテイクダウンボタンを押し込んだまま、
テイクダウンレバーを下方向へ90度回転させると、スライドを前方に引き抜けます。
旧M92Fシリーズは固定HOPUPだった為、ホップの調整が出来ないというデメリットがあったのですが、M9A1は可変HOPUP仕様にバージョンアップされました。今までのマルイさんのHOP調整と同様の方法でHOPの調整が行えます。
やはり工具無しで調整が出来るというのは大きいですね。
リコイルスプリングは、実銃同様に十字タイプに変更されています。接地面積を少なく出来る分、摩擦によるロスが減り、リコイルスピードの向上を狙っているようですね。
インナーシャーシがM92Fシリーズの一体型から、最近の主流である前後2つに分かれた物に変更されています。これをかんがみると、旧M92Fのフレームの移植は並の技術では無理そうですね。 ホビーショーでマルイさん曰く、『需要があれば、ミリタリーモデルの発売も考える』との事だったので、せっかくなのでミリタリーのフレームバージョンも発売して貰って、ついでにクロームステンレスモデルも発売していただけると、 個人的には大変喜びます(苦w
と、大体こんな所でしょうか。外観から、内部まで大きく変更されていますね。さて、続いては皆さんも気になっているであろう実射についてでございますよノ
○実射○
今回の測定は、気温27度、湿度55%の屋外(晴れ)と室内で行いました。
○フィーリング○
このM9A1、本体重量は確かに実銃と同様な重さに設定されていますが、前後のバランスはスゴくイイので、それほど重くは感じません。 マガジンにガスを充填しBB弾込めて本体に装填し、スライドを引いて初弾をチャンバーへ送り込みます。
チャッ、シャチャン!
なんて言うか、スライドの上面が大きく開いている性なのかは分らないんですが、スライドを引く音がすっごくいい音で響きます。金属スライドというものを自分は体験したことが無いので、実際はもっと違う音がするのかもしれませんが、 個人的には超金属音っぽいと思いますね。グロックはかなりプラっぽい音がするので、余計にそう思うのかもしれませんが(苦w
そして照準をターゲットに合わせます。3点ドットですし、フロントサイトが細いので繊細なサイティングできますね。
ジリジリとトリガーを絞っていき、シアーが落ちた瞬間、
バシンッ!
と、気持ちいいリコイルショックを味わえます。ブローバックのスピードはグロックシリーズ程早くはありませんが、リコイルは肩にまでバシッバシッと伝わるくらい強いです
そして、弾道が超、素直w
バシッ! バシッ! バシッ!
と、連続で撃っても、全弾が狙った所に向かって一直線に飛んでいきます。さすが安心安定のマルイ製、マルシンさんではこうはいきません(苦w
更に一端セーフティーを操作して、デコッキング、そこからダブルアクションで撃つ、それでもさほどブレる事もないですね。スゴイw
つか、忘れてたんですが、初弾をダブルアクションで撃つと、2発目からはシングルアクションになるわけですよ。だから、初弾を撃った後一瞬トリガーが何処に行ったのか分らなくなりました(苦w
まぁそれも2、3回撃てば気にならなくなりましたけどね。リボルバーは自分でSAにしない限りは、DA→DA→DAなのでなんだか変わった感じがするのはそのせいですかねー。
続いて、各種詳細なデータに参ります。
○ガス容量○
まずはガスタンク容量と消費量です。
空重量 | 満タン重量 | 差 |
258g | 268g | 10g |
○初速・威力○
続いて初速、威力について。計測はX3200で、SUSの0.2gのECO BB弾を使用し適正HOPにて行いました。 ガス満充填で2〜3分手で暖めて10発ずつ計測しました。
計測回数 | 1回目(m/s) | 2回目(m/s) |
1回目 | 78.73 | 78.73 |
2回目 | 81.25 | 78.81 |
3回目 | 80.22 | 81.07 |
4回目 | 78.7 | 79.8 |
5回目 | 77.84 | 80.22 |
6回目 | 78.75 | 78.75 |
7回目 | 78.62 | 78.32 |
8回目 | 81.22 | 77.74 |
9回目 | 79.47 | 79.16 |
10回目 | 79.24 | 79.58 |
2回目の計測の平均初速は79.22m/s、平均ジュールは0.628J。
最大初速は81.25m/s(0.66J)、最低初速は77.74m/s(0.604J)
ものすごい安定性です。正直この数値には驚きました。最大から最低の差がたった3.51m/sしかないので、平均のジュールも0.6台にまとまっています。 これが、素直な弾道を生んでいるんですね。
○グルービング○
さて、上で紹介した通り脅威の安定性を見せた初速から出るグルービングをご紹介します。 今回は先日購入したベンチレストスタンドを使用して計測したので、ほぼヒューマンエラーを取り除いた計測結果が出てると思います。
あまりに弾道が素直なので、今回は室内の5mレンジを飛び出して、屋外の10mレンジで挑戦です。
んで、結果がこちら↓
回数 | 命中数 | グルービング | 中央からの距離(最小-最大) | 実物 |
1st | 10 | 55mm | 18mm - 60mm | ● |
2nd | 10 | 49mm | 22mm - 70mm | ● |
3rd | 10 | 65mm | 9mm - 69mm | ● |
凄すぎでねぇの?
実物を見てもらうとわかると思うのですが、若干ブルズアイより下に集弾してはいるのですが、その集弾率には目を見張るものがあります。しかも自分がよく使う5mレンジではなく、倍の10mレンジで、ですよ。 あんまり弾道が素直なので、これならと思い。
更に倍の20mで計測してみたww
その結果がコチラ(ポップアップウィンドウが開きます。)
やばいですw スゴ過ぎ(苦w
□DATA□
- 東京マルイ製
- 18才以上、可変HOP UP仕様
- 使用弾、6mmBB弾
- 全長、216mm
- 重量、963g(空マガジン装着時)
- 装弾数、26+1発
- 価格、17,640円(税込)
○総評○
仕上げ、質感、重量、デティール、ギミック、実射性能と、どこをとっても最高レベルの逸品です。 中でも命中精度にははっきりいって驚かされました。まさか20mで全弾プロターゲットに当たるとは思わなかったです。 まさに今マルイさんの持てる技術を結集した意欲作と言えると思います。M9シリーズのファンであれば、購入してまず間違い無いでしょう。
ただ完成度が高い分、どうしても些細な粗が気になってしまうのは、自分の性分なんですかねぇ(汗w
あと、欲を言うのであれば、初弾、チャンバー内にBB弾が無くてもダブルアクションで動作してしまうので、KSCさんで言うところのリアルライブオペレーションシステムのような、 ただマガジンを装填しただけでは動作せず、スライドを引いて初弾を装填して初めて動作するシステムを搭載してもらえると個人的には更に評価が上がりますね。
ただ慣れていない初心者さんには分かりにくいでしょうし、ベテランでも引き忘れててゲームのいざという場面で、あっ! っとなることあると思われるので、 サバゲーユーザーにはあまり気に入られないかもしれないですから、ここは自分の脳内補完で我慢することにしましょうか(苦w
コレクション性も、実用性能も高いM9A1、貴方のガンラックに加えて置いても損はないとおもいますよノ(苦w
(2012/09/09:ページ作成)
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